新井素子『あたしの中の……』

今日もついつい一冊買ってしまう。
それにしてもこの作品は『心のなかの冷たい何か』よりもずっとずっと古い、1978年の作品だったりするわけですよ(あとがきが間違っているのはid:akaponさんの指摘(id:akapon:20051222#p1)の通り。1977年は表題作の受賞結果が発表された年ですね)。それでも一応読むに耐える出来になっているのはすごい。もっと経年劣化が激しいかと思っていたのですが、とりわけ『大きな壁の中と外』なんかは未来の作品ということもあり、瑕はあまり目立ってません。
そう、『大きな壁の中と外』なんですよ。正直、表題作は特に好きでもないんですが、『大きな壁の中と外』はとても思い入れの強い作品で、私のSF原体験というか原風景のような気もします。作中の仕掛けとか、世界観とか、ストーリーてリングとか。こういう作品が、表紙も新しくなって、ちゃんと本屋に並んでくれている、というのは、とてもとてもうれしいことなのです。ちょっとは売れて欲しいなあ。「ああ、昔読んだけどおぼえてないからまた読んでみたいな」とか「初めて聞いたタイトルだけど、昔のラノベも読んでみたい」とか思われた方はぜひ読んでみてくださいませ。