怒濤の日々
ここのところ、イベント続きでたいへんな感じでした。
- 11/22(土)
- 11/23(日)
- 11/24(月・祝)
- 11/25(火)
- 社内でWebアプリケーションフレームワークについてプレゼンする(これは普通に仕事。というかこれ以外は仕事関係ないし……)
- 11/26(水)
- 仕事休んでInternet Week 2008のHTTP Meetingでサーバサイド言語について発表する
- 11/29(土)
- 楽天テクノロジーカンファレンスでRails勉強会@東京第35回を開催。裏方とLTの発表とまつもとさんとの対話の司会っぽいことをする
さすがに疲れました……。というか、楽天イベントは準備と運用でイベント自体については何もおぼえていない感じ(懇親会のごはんはちゃんとたくさんあって素晴らしかったです!)。
個人的にもいろいろあって、アトカタモナイノ国に行きかけたりしたのですが、とりあえず犬を捨てに行く程度には復活しています(ぜんぜん復活してないだろという谷山浩子スキーには意味明瞭なツッコミは全力で却下)。悲しくない。何も思わない。運ばれて行く、あの草原に。
購買記録
しばらく死んでたんで抜けが多いです。すみません。
平山尚『ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術』
- 作者: 平山尚
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2008/11/14
- メディア: 単行本
- 購入: 112人 クリック: 3,473回
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C++でゲームを作る本ですが、これは良い本。って、まだ頭の方と最後の方しか読んでませんが。あとはぱらぱら眺めた程度。
そもそも、分厚い本(800ページ以上!)だし、あんまりゲーム開発そのものには興味ない(ゲームっぽいUIには興味あるけど)ので、買おうかどうしようかと迷ったんですが、それでも買うことに決めたのは、まえがきの「数学について」の最初の段落の一行。
ゲームを作るには数学が必要だ。
と書かれていたからでした。
この本は冒頭で、
この本の目的は、君が一人で3Dゲームを作れるようにすることだ。
3Dゲームと言ってもいろいろあるが、ここでは「某ロボットが弾を打ち合うゲーム」に似たものを作ることを具体的な目標としよう。
とうたいながらも、いきなり3Dゲームの話をするでもなく、あるいは3Dに必要なライブラリやら数学やらの話をするでもなく、最初は「ローグ」みたいな文字だけの画面の倉庫番もどきの作り方からはじまる本です。そういう、何も知らない初心者を前提にした、丁寧に手ほどきをしていく本にも関わらず、「数学が必要だ。」と言い切り、実際に三角関数やベクトル・行列の説明もしているっぽい(そこはざっとしか読んでない)のは、著者がゲームプログラマ志望者に必要な技術を覚えさせようとする、その本気度を感じさせるに十分でした。
実際に読んでみると、本の内容も去ることながら(というか私はC++は素人なのでレベルが判断できない)、書き方もよい感じです。
まず教えるスタンスがいい。「ここではこう書いたが、君はこうしなくてもいい。私はこれこれこうだという判断をしたからこうするようにしてる。君はどうだろうか」という雰囲気で、「私」と「君」との間で、押し付けがましかったり馴れ馴れしかったりするでもなく、さりとて完全に突き放してしまうでもない距離の置き方が、「教わってる」感がして気分良く読めます。
特に、技術的な判断としては最初の方では変数名の省略の仕方、ポインタと参照の使い分け、書き方としては「intが2バイトだったり8バイトだったりすることもないわけではない。しかしこの本ではそんな事は無視して4バイトとする。」と脚注に書くスタンス、あるいは11章で、必要ないと言いつつプログラムでの音の鳴らし方を細かく説明するセンスなども好感が持てます。
あとは、プロフェッショナルというか、仕事としてのソフトウェア開発の視点。最適化に関する17章で、さらっと手法を紹介しつつも、
大抵の場合、速度が足りないのは、分不相応なゲームを作ろうとしたからである。
(略)
責任感の強いプログラマほど必死に高速化しようとするのだが、大抵の場合それは無駄な努力に終わる。(略)
無駄な努力は無駄である。プログラマは妙な努力をする前に、絵描きには「素材もっと小さくしろ」と、ゲームデザイナには「物を出しすぎだ。減らせ」とはっきりいうべきなのだ。
とする態度とか。あとは、最後から2番目の章である「バグとの付き合い方」は、たいへん納得できる内容でした(ここは私のスキルで善し悪しがほぼ判断できる章なので)。
日本語もいいですね。難しくなく読めるようにしつつも、妙な湿り気のない、読点多めの文章。読み物寄りの技術系文章としてよくあるタイプのいい感じの書き方で、時折「こういう長い条件文は我々人類の能力を超えたものであり、馬鹿でもわかるように割ってやるのが良い。」という感じの軽さも時折挟まれてます。書き慣れているというか、説明しなれている感。
いずれにしても、日本でこういう「これ一冊でばっちり」的な分厚い本というのはあまりなかったと思います(著者も同様のことをあとがきで書きつつ、それを目指したっぽいですが)。こういう本はもっと書かれて(そして売れて)欲しいというか、ゲームに興味がある若い人が手にとって、これをもとに実際に自分で書いたゲームが動くのを体験するようになれば、日本の未来も明るいんじゃないかと思いました。著者と、そのサポートをした人たち、特に「業務として会社で書いてよい」という許可を出されたらしい(すごい)熊谷美恵氏さんに拍手。
- 著者のサイト: http://www.page.sannet.ne.jp/hirasho/
- 著者の講演の記録らしい: http://www.famitsu.com/game/news/1210860_1124.html
追記:なんかamazonにもbk1にも在庫がないんすか? むーん。じゃあジュンク堂へのリンクを。
『このライトノベルがすごい! 2009』
- 作者: このライトノベルがすごい!編集部
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2008/11/22
- メディア: 単行本
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竹岡美穂インタビュー! 素晴らしい。
年内中に竹岡美穂十年の軌跡についてまとめたい(野望)。
にしても、『文学少女』シリーズは評価が高すぎというか、ちょっとこの評価はどうなのかな? と思わないでもないのですが。いや、個人的には大好きな作品だからいいんですが、うーん。あと『生徒会の一存』が思ったより高くて笑いました。
Colin Moock,『詳説ActionScript3.0』
- 作者: Colin Moock,永井勝則
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2008/11/22
- メディア: 大型本
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Colin MoockのAS3本。原著は持ってるけどまだ読み切れてませんorz
でも、やっぱり手堅く良い本だと思います。たぶんAS3のバイブルになるんだと思います(Perlにおけるラクダ本みたいに)。
Tom Igoe『Making Things Talk』
Making Things Talk ―Arduinoで作る「会話」するモノたち (Make:PROJECTS)
- 作者: Tom Igoe,小林茂(監訳),水原文
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2008/11/17
- メディア: 大型本
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Arduino本。ArduinoはRubyConf2008でも使ってる人がいましたが、これを機に日本でもArduinoが流行るかも? でも、使い始めの導入の容易さではGainerの方が一日の長がありそうなので、今の普及率からも微妙なところ。というか、監訳がGainerの小林さんなところが協調性を感じさせるのか、あるいは日本での層がまだ薄いということなんでしょうか。
内容としては、とりわけワイヤレス通信が気になります。
高橋源一郎『いつかソウル・トレインに乗る日まで』
- 作者: 高橋源一郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/11/05
- メディア: 単行本
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「著者初の、そして最後の超純愛小説。」という帯が気になる新刊(そういえばエッセイの新刊も出てたけどあっちは未購入)。オサレっぽい表紙も気になりますが、何より気になったのはタイトル。高橋源一郎のことだから、新井素子『いつか猫になる日まで』は知ってるはずだし……でも外されそうかも。
竹岡葉月『オトナリサンライク』
- 作者: 竹岡葉月,八重樫南
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2008/07/30
- メディア: 文庫
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こちらは『SH@PPLE』ほどは話題になってないようで、ちょっと気を抜いていたらいつの間にか本屋さんから消えていてショックだったのですが、ようやっと購入して読了。そんなに強い印象はないものの、相変わらずの竹岡印の作品でうれしかったです。
Obie Fernandez『The Rails Way』
Rails Way (Professional Ruby Series)
- 作者: Obie Fernandez,豊田祐司,株式会社クイープ
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2008/12/04
- メディア: 大型本
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ktkr!
Obie Fernandezの書いたRails本がようやく出ました。
ちょっとバージョンが古い(基本は1.2系?)のが気になりますが、まあRailsはそういうものなので。ただ、そのフォローがないっぽい(訳注もないっぽい?)のは残念な感じです。
細かいところでは、「Courtenayが言うには」(翻訳が微妙?)が笑えるところもあっていい感じです(「DSLなんて最低! もちろん、Obieが作成したものは別ですが。」(p.252)とか)。
ざっと見たところでは、Monitの説明があるのはめずらしいかも。
原著はたいへん評判が高かったと記憶していますが、日本のこのタイミングではすでに良い本もぱらぱら出てる状況なので、読み比べないとなんとも、というところかも。
Ben Fry『ビジュアライジング・データ』
ビジュアライジング・データ ―Processingによる情報視覚化手法
- 作者: Ben Fry,増井俊之(監訳),加藤慶彦
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2008/12/01
- メディア: 大型本
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おお、増井さんが監訳なのか!
最近1.0も出たので話題になっている、Processingの本。……というわけじゃないか、どっちかっていうとVisualizationがメインの本で、実装言語としてProcessingを使ってる感じですね。まあ著者はProcessingの開発者の一人なんで当然なんでしょうけど。あとで読む。
前田剛『入門Redmine』
- 作者: 前田剛
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2008/11/26
- メディア: 単行本
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おお、ついに!
著者の前田さんは http://redmine.jp/ の管理者でもある方で、島根の方ですが前田修吾さんとは別人です:)
本自体はredmineの紹介からインストール、設定など。実際の使いこなしについては、ベストプラクティスとしてさらっと触れている程度のよう。
そういえばRubyの会のredmineの方もまだ進んでないですね……すみません。そろそろなんとかします。
Amy Shuen『Web 2.0ストラテジー』
Web 2.0ストラテジー ―ウェブがビジネスにもたらす意味
- 作者: Amy Shuen,上原裕美子
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2008/11/21
- メディア: 単行本
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Tim O'Reillyの「私の主張を正しく評価した初めての本だ」という帯がうさんくさいような……どうなんすかね。まあ、読まないといけない本のような気がするので、読んでみます。
タアモ『ライフル少女』
- 作者: タアモ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/11/26
- メディア: コミック
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4つの短編が入っている短編集。タアモらしい一冊、かな?
同じシチュエーションを登場人物2人の視点でそれぞれ描く、という手法はめずらしくはないですが、意外に効果的でした。「ライフル少年」も安心して読めたし。「ライフル」という言葉があんまりしっくりこなかったのが一番ざんねんなところかも。
最後の(これだけ独立した短編)『おばけ村へようこそ』は既読でしたが、これはもともと好きな作品だったので○。