『ソフトウェアアーキテクトが知るべき97のこと』

ソフトウェアアーキテクトが知るべき97のこと

ソフトウェアアーキテクトが知るべき97のこと

うううーん、これは微妙かも。

なんというか、普通にちゃんとしたアーキテクトのひとびとが、普通にちゃんとしたアーキテクトの話をしてるのをたくさん集めました、というコンセプトの本で、確かに普通にいい話がたくさん書かれてるんですが、よくも悪くも「普通」なんですよこれ。要するに尖ってない。

本書はアーキテクチャに関して図やコードや文書で実践が書かれているものではなく、かといって実践するべきプロセスがまとまって書かれているわけでもなく、すなわち読み物系の作りになっているんですが、総じてアクがない。しかも、アーキテクチャってあんまり偏るといいことないので、わりと現実的でバランス重視な感じも少なくないと思うのですが、そうすると読む分にはあんまり面白くならないんですよ。普通のいいエッセイ。そういうのをたくさん集めてみても、ちょっと印象が弱くなってしまう感じです。

まあ普通でも、ちゃんと構成やストーリーを練って、ページ数割いて書くならともかく、基本は見開き2ページのみ、わりと余白が多いものもそれなりにある、という状況では、なんかこう、もう一声欲しくなる感じです。

読み方としては、もう全体としてどうこうというのは考えず、いくつか気に入ったのがあればOKという前提で、どれだけ気に入ったのがあるかどうかで判断、でしょうか。私は『立ち上がれ!』が一番面白かったです。