盛山和夫『年金問題の正しい考え方』
- 作者: 盛山和夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/06
- メディア: 新書
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- 未納問題はたいした問題じゃない
- 未納がなくても1973年の制度のままでは破綻することがわかっていた(!)
- 2004年改正でだいぶましになったがまだ決定的ではない
- ていうか、決定的な年金制度なんてどの国でも実現できてない(?)
- 結局、運用とか制度がひどくなければ現状のような年金制度は相当有用
- 積立方式化や民営化はいまいち解決になってない
まっとうな本、という印象。年金に興味はあるけどよく分からない人は読んでおいた方がいいと思います。
和泉かねよし『メンズ校』
- 作者: 和泉かねよし
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/01/26
- メディア: コミック
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全寮制男子校もの少女マンガ(非BL)。ふつうにちゃんと面白く、でもふつうにちゃんと少女マンガになっている気がしてくるのが不思議。ふだん少女マンガを読まないひとにも広くおすすめ。
「ビジネス中心」フレームワークとしてのRails
ひがさんの http://d.hatena.ne.jp/higayasuo/20080113#1200187934 より。
Railsのやりすぎ感は楽しい、でもJavaを取り巻くビジネス環境(既存システムの作り直しが多い)には合わないから、Seasar的には別の選択肢(ニュートラルな路線)をとる。
(略)
代替産業に学びつつ、自分たちのビジネス環境にフィットさせることを私はいつも心がけています。良くも悪くもビジネス中心なところが、Seasarらしいところでしょうね。
なるほどー。でも、一方のRailsも「良くも悪くもビジネス中心」のはず。Railsの出自は商用Webアプリケーションのフレームワークですし、そもそもRubyに「金の匂い」を持ち込んだのがRailsなのも記憶に新しいところです。
ひがさんはJavaを「既存システムの作り直しが多い」としています。一方のRailsの場合、それはもちろんあるでしょうけど、サイトリニューアルのような場合ですら新しく作る部分を比較的多くとるはず。DBもスキーマを引き継がずに移行させるとか。そしてもちろんスタートアップ用・新規システム構築用としての用途も高いです。
Railsの場合、既存資産をできる限り使わない方向で最適化されているはずです。もちろん既存資産を使った方が早いことは多々あるのですが、それよりも高速に一から開発できるのであればそうすればいいわけで。もちろんそうすると既存の何かしらは引き継げないんだけど、そういうところはすっぱり引き継がない方がビジネス的に有用である(less software)、という信念もあるんじゃないかと想像します。
「冒険」のビジネス価値
ひがさんの話はさておいても、日本では「優等生的なこと、バランスをとること、冒険しないこと」=「ビジネス向き」という風潮が強いように思います(というか、Seasarに対してもそういう風当たりがあるんじゃないかと。ひがさんが望むSeasarの進化の速度は、Seasarをビジネスに利用したい人の望む速度より速すぎると思われてるんじゃないかと妄想しています。外野からの勝手な観察ですが)。でも、それって本来おかしいですよね。ビジネスなんだから、常に競合他社との差別化を図るような価値を持っていないといけないわけで、それには他社のやっていないこと=冒険を含まざるをえないはず。もちろん失敗すると会社がこけるほどの冒険を次々にやる企業は継続しえないでしょうから(確率の問題として)、その冒険の幅や方向性はありますが、何もしないのはビジネスの面からも評価できない。
新しい何かを「ビジネスに向かない」という人がいても、それは「自分のビジネスに向かない」というだけ。何かしら有用な価値はビジネスに対して中立なはずです(もちろん、そのターゲットが広いか狭いかはあって、冒険的なものは狭くなりがちかもしれませんが、でもそれはそこをターゲットにしてビジネスしてる人には関係ないわけで)。……という話の続きは、「楽しさのビジネス価値」を強調するかくたにさんがしてくれると思います :D