Neal Ford『プロダクティブ・プログラマ』

プロダクティブ・プログラマ -プログラマのための生産性向上術 (THEORY/IN/PRACTICE)

プロダクティブ・プログラマ -プログラマのための生産性向上術 (THEORY/IN/PRACTICE)

献本御礼。というか、お会いしたとき編集者の方に「買ってないですよね?!」となんかすごい勢いで言われたのでびびりました。大丈夫ですよー。

んー、しかし、これはちょっと評価しづらい本かも。ある意味では「ゼロ年代の『達人プログラマー』」とも言える本、なんだけど、それにしては一冊の本としてのまとまりがよくないです。
そもそも2部構成になっている上に、2部目も選び方がわりとまとまってないような気がします。1部で生産性を上げるための技法を4つの分類、「加速」「集中」「自動化」「正準化」というので分けているのはきれいな分もったいない感じ。

ただ、さっきも言ったように、ある意味では「ゼロ年代の『達人プログラマー』」なんですよ。それはそもそも『達人プログラマー』が没時代的というか、普遍を目指すがゆえに細かい技術動向へのキャッチアップをする気がない、という性格もあったためですが。その点、この本はそのような細部の技術にも恐れず踏み込んでいるので、一般的にはていねいと言えるでしょう。が、もちろん、それは賞味期限を短くする恐れもある諸刃の剣でもあります。そこは本書そのものの寿命も踏まえた上で、バランスをとってみたのでしょうけど。

いずれにしても、それなりの発見はあると思います。それがどこまで響くか、どこまで新しいことを知ることができるかは個人差があるので、そこは各自評価していただければ。

あと、某所にも書きましたが、『プロダクティブ・プログラマ』とかいう(やや分かりにくい)タイトルじゃなくて、『できるプログラマ』とかにしてしまえば……って、本の傾向が違いすぎますか。でも、ほんとに『できる』シリーズみたいなノリで前半が作られていれば神なのになあ、と思ったり思わなかったり(<少なくともオライリーのカラーじゃない気がする)。