菅聡子編『〈少女小説〉ワンダーランド』
- 作者: 菅聡子
- 出版社/メーカー: 明治書院
- 発売日: 2008/07/01
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 37回
- この商品を含むブログ (21件) を見る
これは素晴らしい!
明治から平成まで、少女小説を歴史的に眺めているんだけど、わりとミーハー色というかファン意識が強く出ていて、出版社名のわりにはお手軽に読めます。インタビューも本田和子と田村弥生(コバルトの生き字引みたいな人、ですよね)とでうれしい。基本的にはコバルト中心史観な気もしますが、謎の名台詞企画では、氷室冴子・新井素子・久美沙織に加えて花井愛子や秋野ひとみ、倉橋燿子、折原みとから雪乃紗衣に野村美月と手広く並べています(さすがにミーハー過ぎかもと思いつつ)。
mixiではちょっと冷ややかな評が多かったですが、そんなのは計算済みというごとき本田さんのインタビューの中の言葉が光ります。
でも、こんな大げさな言挙げは「少女」には似つかわしくないようですね。「大切なもの」を肩肘張ることなく、クスクス笑いながら「したたかに」手放さない。私には、そんなところが「少女の本文」のように思えているのですが……