『本の雑誌 2008年10月号』

本の雑誌 304号

本の雑誌 304号

少女小説特集というか、氷室冴子追悼特集。少女小説としてはコバルトに偏り気味な気もしますが、まあ時代的な影響もありますし。

久美さんのエッセイですが、正直、『創世記』のやつの方が好きでした。これ。とはいえ、あれだと追悼にならないし、これで氷室さんの再評価につながるんならぜんぜんありです。

というか、結局、未だ氷室さんですらまともに評価されてないんですよね……『クララ白書』も『ジャパネスク』も『なぎさボーイ』『多恵子ガール』も入手困難なわけで。素子さんもやがて、少女小説としても、SFとしても、それなりの評価はされつつ、それなりでしかない評価のまま終わってしまったら、それはひどく切ないだろうなあ……と思いました。

あと、氷室さんは素子さんをどう評価してたか、というのは実はすごく気になってます。

それと、高頭佐和子さんの乙女派書店員レポート・氷室冴子作品一気再読の記事は、作品への愛が詰まっていてすごくよかったです。