神永正博『学力低下は錯覚である』

学力低下は錯覚である

学力低下は錯覚である

これはよい本。

  • 学力はそんなに低下していないが、人口減+定員増加のために相対的に下がる
  • ゆとり教育の功罪ははっきりしない(統計的に修正すると極端に落ちているわけではない)
  • 大学の理工系(特に工学系)の割合が減ったのは女子進学率が増えたからで、男子の工学系進学率は以前からほぼ1/4で変わらない
  • 年収に5000万円も差があるとかいうのは、高人気・高収入の金融・保険業の社会科学系出身者と製造業中心の工学系出身者を比較しているだけで、文学部よりは高い(<それもどうかと)

森北出版は良い仕事をしたと思いますが、これは新書で出すべきなんだろうなあ、とも思います。