三角みづ紀『カナシヤル』

三角みづ紀の新作が出ていた。ので、買った。

カナシヤル (新しい詩人)

カナシヤル (新しい詩人)

膿んだ傷口
揺れるカーテン
頭からコンクリートに飛び込むその衝撃
窓は放たれて
湿りゆく瞼
コップ一杯の水をください
奇妙なことに
数式は成立しているのだ
いつのまにか
助けて
が
口癖に成っていた
一定の距離は
一定のまま
笑ってる
笑ってる
痛いよ
(「発症」より後半抜粋)

前作よりは息苦しさが減ったような気もします。とはいえ、読みやすいわけではないのですが。私とはぜんぜん違うところにある、ぜんぜん違うことばでできているのですが、私にはなぜかしっくりとくるのでした。