現在の日本では、法定最低賃金額が生活保護の給付額を下回っている。

2つの正義の狭間で EU労働法政策雑記帳 (http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/post_d15e.html )

ここに3つの価格がある。市場賃金と法定最低賃金と、そして生活保護の給付額だ。ここでも書いたように、現在の日本では、法定最低賃金額が生活保護の給付額を下回っている。市場の中で頑張って働いている人は不健康で非文化的な生活に甘んじなさいといっているようなものだ。しかし、それならみんな生活保護に移行するかといえばそうではない。
(略)
我々は正義を純化するのではなく、不純化する方向を自覚的に取らなければならないのではないだろうか。交換の正義の中に分配の正義という不純物を盛り込み、等価交換原理に反する最低賃金を、今のような生活保護未満のものではなく、そっちの方が有利になるような、そう、市場を歪めるような仕組みを、持ち込まなければいけないのではないだろうか。最低賃金はいかなる意味でも「正義」ではない。それに反するものだ。不純だ。不正義だ。だからこそ必要なのではないのか。

このエントリに限らず、このひとのblogは面白すぎると思いました。