ポストモダンプロジェクトマネジメント

メモ。この前角谷さんと話した内容を下敷きに。

プロジェクトマネジメントはポストモダン化しつつある。

キーワードは「感情管理」。近代的なプロジェクト管理では、作業者は機械と同様、定量的なタスクをこなす装置(機械)と考えられていたが、現代的なプロジェクト管理では作業者の感情にフォーカスする。これはチームのメンバーにもリーダーにも当てはまる(リーダーの方がより強くあてはまる)。

ポストモダンプロジェクトマネジメント技法の代表例としてコーチングとファシリテーションが挙げられる。前者は規律訓練型、後者は環境管理型の側面が強い。コーチングが主にリーダーに対し、その振る舞いを規定し、強要する一方、ファシリテーションではその意図を不明確に・あるいは隠蔽し、メンバーの感情を暗黙のうちに管理しようとする。高度なファシリテーションではリーダーすらも暗黙のうちに管理されるようになる。

プロジェクトマネジメントがポストモダン化することとその良し悪しとは直接相関しない。感情管理的な傾向が強まれば作業者の負担は軽減するように感じられるかもしれないが、感情労働の負荷の増加はより苛烈に働く危険性も高い。プロジェクトそのものに問題がある場合、それを感情管理でしのごうとすることは、作業者の日常的な情動にすら危害を加えかねない。いずれにしてもあらゆる技法と同様、適切な使用が肝要となると思われる。

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感情管理、感情労働に関する研究の原典、らしい。ただいま第2章を読み中。

業務連絡:平鍋さんと話してみたいといったのはこんなような話です>角谷さん