神崎正英『セマンティックHTML/XHTML』

セマンティック HTML/XHTML

セマンティック HTML/XHTML

セマンティックWebの最新動向がわかる本。
『ユニバーサルHTML/XHTML』の神崎さんなので、内容については安心して読めるのですが……個人的に、セマンティックWebにはいろいろ懐疑的です。

セマンティックWebって、もう20世紀から考え方はもちろん、仕様や実験的な実装は出て来ていたのにも関わらず、その進捗は思わしくないんじゃないか、と思っています。現状ではRSSは普及したものの、RSSの元になった(というにはRSSにはいろんな歴史がありすぎて語弊がないわけでもないのですが)RDFそのものについてはあまり普及しているようには見えません。やっぱり自由な三項対を管理するのは、人間にとって辛すぎるんじゃないかなあ、だからRSS2.0程度の簡易なものしか扱えないんじゃないかなあと思わないでもないです。
そういう意味では、RDFaには期待してます。これでボキャブラリが安定して、検索エンジンとかの利用するツールが普及すれば、また今までとは違った展開があるんじゃないかなあ、とか。

とはいえ、この本ではそういう葛藤が見えてこないんですよね。あくまで現状を淡々と説明する、という。もちろんこれはこれで抑制されていてよいスタイルだとは思うんですが、今後も順調に進むとはあまり思えない(これまでの経験上)分野について書く以上、もう一歩突っ込んだ解説や予測も欲しかったかなあと思うのでした。

あと、CURIE (http://www.w3.org/TR/curie/) については初めて知りました。これはどうなんだろう……。